全日本空手道連盟(全空連)と、国際空手道連盟極真会館が、共にオリンピックに空手採用を目指すべく、友好団体を結成することとなりました。
ルールは全空連の寸止めルールです。フルコンタクトの極真会館は、今後希望すれば、全空連から寸止めルールの指導員も派遣してもらえるとか。ただ、総本部のみになる模様。
今回のお話は、どちらがどちらの傘下に入るというものではなく、あくまでお互いが協力して五輪を目指しましょうというもので、今後も全空連は全空連、極真会館は極真会館です。
これまで、極真会館はフルコンタクトへのこだわりが強く、何度も五輪入りを断念してきましたが、極真会館の松井館長はお互いを尊重するという立場を強く持っていて、「小異より大同」をという言葉が、非常に印象的でした。空手界の坂本龍馬となるかもしれません。
一方、新極真など、他の極真会館は、フルコンタクトと寸止めの2つのルール両立を譲らず、平行線となっていましたが、これからどうするのでしょうか。。確かに、視聴者の立場からすると、寸止めより迫力のあるフルコンタクト空手の方が見たいわけではありますが、流血、失神など五輪ではあまりお目にかからないわけで、子供への影響も不安視する声もあるわけです。
空手は、蹴ったり殴ったり、結局のところ相手を倒すことを目的としているので、当然フルコンタクトであるべきものなのですが、全空連がなぜ寸止めを採用しているのか。それはやはり、性別年齢問わず楽しめるスポーツとして確立するといことでしょう。
スポーツとして市民権を得るためには、やはり組手の実践性と安全性という相反する要素を両立させなくてはなりません。そういう点では、剣術では、防具と竹刀を導入することで安全性を確保し、剣道として市民権を得ました。柔術では畳を導入することで、柔道として市民権を得ました。空手も最初は防具を導入することで、安全性を確保していたようですが、いかんせん当時はまともな防具が無く、寸止めというルールを用いることで、安全性を確保したことが、一般ウケしたのです。語弊を恐れずに言うなれば、軟式野球もあれば、硬式野球です。どちらが優劣あるというものではなく、それぞれニーズがあるというものです。極真会館は大山総裁がフルコンタクトにこだわりすぎ、寸止めを認めなかったのに比して、松井館長の柔軟な姿勢は、大山総裁以上の懐の深さを感じざるを得ません。